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  • 執筆者の写真Toshikazu Maruno

“WELCOME BACK, MY OLD FRIEND”




約2ヶ月ぶりに、我が旧友であり、パートナーであった、Ovation / Elite 1858の12弦アコースティック・ギターがハードな修理を終えて、僕の元へ戻って来た。


今現在活躍中のギターたちは、勿論このギターの存在を知らない。

10年以上、ハード・ケースに入れたままだったから…


何故に、この旧友のオベーションが復活したかは、この春に自分の過去の作品を振り返った事がキッカケだった。

昔の作品は、アコースティック・スタイルで録音されていたものが多く、録音で主に使用していたギターが、この12弦のオベーションのギターだった。

そのキラキラとした、あのオベーション特有の12弦ギターの音色が、僕をあの当時へと引き戻し、オベーションにしか出せない音に、僕は再び惹かれてしまったのだ…


僕は思い立ち、オベーションが眠るギター・ケースを恐る恐る開けたのだが、予想以上の酷いコンディションに、言葉も無く、もうただただ笑うしかなかった。自分の愚かさと、自己中心的な自分を恥じながら…

それでも何とかこの旧友に手を差し伸べたい、出来る事なら再び僕らにしか出来なかった演奏をやってみたいと思い、ネットで調べ楽器店に持ち込む事に。その後、オベーションの12弦ギターは、長い「リペアの旅」へと出る事に。


しかし… 東京で診てもらうも、余りの酷いコンディションにお手上げとなり、結局、オベーション代理店のモリダイラ楽器さんへ引き継ぎ、お願いすることに…

この経過報告に、僕は見積り以前に、「修理不可」という言葉が頭の中をよぎっていた。何故なら、この「Ovation /Elite 1858」は、1992年のアメリカ産、必要なパーツも、現在あるかどうなのかも分からないし、他のパーツで対応出来るのかも分からない。

正直、「修理に出せば大丈夫」だと安易に考えていた自分が愚かだった。昔、自分の夢と共に、苦楽を共にしてきたギターなのに、いたわる事なく、酷い状況まで放っておいた自分が本当に情けなかった。


そんな事を思いながら過ごして、2週間が過ぎた頃、楽器店から連絡が。

モリダイラさんからの見積りが出たとの連絡だった。先ずは、「修理が可能」だという事に心から安堵した。見積り金額も自分で決めていたマックスの金額内に落ち着いてくれたので、正式に修理をお願いする事に。

先述した通り、旧友との別れも覚悟していたが、もし僕が今後も音楽の道を歩き続けるなら、きっと旧友は僕の元に、あるべき姿で戻って来るだろうと思っていた。だから、正式にギターの修理が決まって以来、今まで使ってきたギターへの、扱いや想いも変わった。


そして、修理が始まっておよそ3週間以上経った昨日、僕は朝から「ひょっとしたら修理完了の連絡が来るかもしれない」と感じ、修理費用など準備をしていた。すると、夕方に楽器店から連絡があり、ギターが修理を終えて戻って来たとの事だった。

何とも言えない気持ちが僕の心の中に広がった。


今朝は、ギターを引き取りに行くには十分な天気に恵まれ、2ヶ月ぶりに修理を依頼した楽器店へ。

楽器店で、修理を終えたギターを確認する為、ギター・ケースを開けると、そこには新たな弦も張られた、あの当時のままの旧友の姿が…

その姿を見て、嬉しいという気持ちよりも、「本当に申し訳なかった」という気持ちが、感情として先に湧き上がって来た。勿論、嬉しかったが。


支払いを終え、定員さんにお礼を伝えると、昔のように旧友と共に歩き家路を急ぐ事だった。


という事で、”Ovation / Elite 1858”が修理を終えて戻ってきました。その間、およそ2ヶ月。まだ、チューニングを合わせギターを弾いていませんが、今後、その相棒との演奏を、ビデオで紹介したいと考えています。ブログでもこの旧友オベーションについては再び綴らせて頂きたいと思います。彼女(←彼でなく?)も喜ぶと思います。笑


Toshikazu Maruno / Singer-Songwriter



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